教育・研修の概要
教育・研修の概要
研修構成の基本的な考え方として、神奈川県看護協会の理念、教育・研修の指針を核として、2016年5月に日本看護協会が公表した「看護師のクリニカルラダー(JNAラダー)」と神奈川県看護協会が策定したラダーより企画・構成しています。
- JNAラダーは、あらゆる施設や場で全ての看護師に必要な核となる看護実践能力を示しており、4つの力(図1)と5つの習熟段階(表1)で構成しています。
- 神奈川県看護協会ラダーは、看護実践能力以外の能力を組織的役割遂行能力/自己教育・研究能力として整理し、個人へのキャリア支援、組織における役割や必要な能力への支援として、5つの習熟段階(表2)で構成しています。
表1 看護実践能力(JNAラダー) | |
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レベルⅠ | 基本的な看護手順に従い必要に応じ助言を得て看護を実践する。 |
レベルⅡ | 標準的な看護計画に基づき自立して看護を実践する。 |
レベルⅢ | ケアの受け手に合う個別的な看護を実践する。 |
レベルⅣ | 幅広い視野で予測的判断をもち看護を実践する。 |
レベルⅤ | より複雑な状況において、ケアの受け手にとっての最適な手段を選択しQOLを高めるための看護を実践する。 |
表2 組織的役割遂行能力/自己教育・研究能力(神奈川県看護協会ラダー) | |
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レベルⅠ | 専門職としての自覚をもち、チームメンバーの役割を果たすことができる。 自己の課題を指導によって発見し、自主的な学習に取り組むことができる。 |
レベルⅡ | 組織の一員としての役割が理解でき、部署の目標達成に向けて、基準や手順を順守した行動がとれる。日々の看護業務においてリーダーシップがとれる。 自己の課題を明確化し、達成に向けた学習活動を展開することができる。 |
レベルⅢ | 部署においての組織的役割(チームリーダー・コーディネーター・部署での係)が遂行できる。 自己の学習活動を継続して取り組むとともに、新人や看護学生に対する指導的な役割を実践することができる。 |
レベルⅣ | 部署において専門的な能力を発揮し、指導的な役割を遂行できる。部署の課題の明確化ができ、解決に向けて取り組むことができる。 自己のキャリア開発に向けて、主体的に研究や学習に取り組むことができ、他者にモデルを示すことができる。 |
レベルⅤ | 部署を超え、組織から求められる役割を遂行できる。部署の課題に対し、具体的解決を図れる。 専門領域や高度な看護技術等についての自己教育活動を展開することができる。 組織的な教育・研究活動を主体的に実践できる。 |
JNAラダーと神奈川県看護協会ラダーで分類したそれぞれの研修・習熟段階と、 自らの能力を対比させ、自分自身の習熟段階に必要な研修を選択するために活用します。各研修のラダーレベルは、表記しているレベルを目指すための研修として設定しています。