かながわ地域看護師の取り組みについて

 秦野厚生病院は、この地に根ざして78年、若手スタッフが集う160床の精神科病院です。現在全国の精神科入院患者の66%が65歳以上になり、認知症は15年前と比較し約7.3倍と非常に高い推移を示しています。精神科の治療構造は、精神疾患と身体疾患が合併し、より複雑化しケアも困難な状況です。地域における精神科と他科の連携した治療体制の構築は急務とも言えます。

 そんな折、精神科の看護師は何が出来るのか、もっと身体的ケアを学ぶべきじゃないだろうかと、アイデンティティに揺らぎを感じるような発言が数多く見受けられるようになりました。精神科看護のケアの特性としての、ポジティブな側面、ネガティブな側面、何を持っていて何が足りないかを、しっかりと認識し、看護実践能力を高めるためのひとつのチャレンジとして、この事業に参画させて頂きました。

 伊勢原協同病院との相互交流は3か月、当院からは精神科病院経験しかない急性期病棟主任と、認知症ケア病棟主任を出向者としました。自分たちが重ねてきた臨床経験が総合病院でどう活かせるのか、総合病院でのケアが担えるのかと期待と不安とが交差する中での出向となりました。そんな心配をよそに、3カ月の出向を終えた二人は、自分たちの持つその視点、関わり、周囲とのコミュニケーションが専門性なのだと、それはとても大切なケアの真ん中にあるものだと、またひとつ豊かな看護を実感し、精神科看護、身体拘束ゼロ8年目に奔走してくれています。

秦野厚生病院
西 典子

写真は認知症病棟スタッフ(左手前男性:伊勢原協同病院の出向者、右手前女性:秦野厚生病院の出向者)
※掲載許可確認済