かながわブルリン

病院も、在宅も。3年間でつながる看護へ。
「かながわブルリン」は、新卒1年目から急性期看護と訪問看護の両方を経験する、新しい看護師育成プログラムです。病院での治療から、在宅での暮らしまで。その人の生活を切れ目なく支える看護師を目指します。【かながわブルリン】
「かながわブルリン」は、Kanagawa Nurse Bloom Linkの頭文字と響きを生かした愛称です。「Bloom」には、看護師が学び、成長し、力を花ひらかせること、「Link」には、神奈川の病院と地域、医療と暮らし、人と人を結ぶことの意味を込めています。神奈川全体で看護師を育て、切れ目のない看護を未来へつなぐプログラムであることを表しています。プログラムの概要
病院と在宅をつなぎ、これからの看護を育てる3年間
かながわブルリンは、新卒看護師が1年目から「急性期看護」と「訪問看護」の両方を経験し、病院と地域をシームレスにつなぐ看護を学ぶ、3年間の教育プログラムです。
病院での看護と、患者さんの暮らしの場である在宅での看護。その両方を新人から経験することで、療養する人の生活を見据え、病院から在宅まで切れ目なく看護を実践できる看護師を育成します。

かながわブルリンが生まれた背景
少子高齢化の進展や地域包括ケアシステムの推進により、病院から在宅まで、切れ目のない看護を担う人材の確保がますます求められています。
神奈川県では、人口当たりの看護職員数が少ないことに加え、訪問看護師の不足、新卒者を含む看護職員の離職や県外流出などが課題となっています。
こうした状況を踏まえ、病院と地域の双方で看護を経験し、それぞれの役割や特徴を理解した看護師を育てるとともに、多様なキャリア形成や柔軟な働き方につながる仕組みづくりが検討されました。
2022年、聖マリアンナ医科大学病院、神奈川県訪問看護ステーション協議会、神奈川県立保健福祉大学の3者が連携し、新卒看護師が1年目から病院と訪問看護ステーションを横断して学ぶ教育プログラムの開発に着手。2023年4月にプログラムを開始し、2025年度に完成年度を迎えました。
目指す看護師像
かながわブルリンでは、急性期医療の場での看護と在宅の場での看護の両方を、同時期に経験することで、
- 病院と在宅、それぞれの看護の特徴や役割を理解できる
- 病院・在宅のどちらでも必要となる看護技術を自立して実践できる
- 治療・療養計画を理解し、その人の「生活」を想定した看護を展開できる
- 急性期から在宅までをシームレスにつなぐ、新たな専門性を身につける
ことを目指します。
「病院か、在宅か」ではなく、「病院も、在宅も」。
それぞれの現場での経験を行き来しながら、患者さんの治療と暮らしの両方を見つめる力を育てます。
本プログラムで育つ「3つの強み」
- 確かな看護技術とアセスメント力:病院での豊富な臨床経験で基礎技術をしっかり修得しながら、在宅での専門的ケアにも活かせます。
- 生活を見据えた退院支援・連携力:対象者の「退院後の暮らし」を具体的にイメージした看護計画立案や多職種連携が実践できます。
- 柔軟なキャリアの選択肢:3年間の経験を経て、将来の目指す姿に合わせた多様なキャリアパスを描けます。
3年間の働き方

1年目
病院(常勤)の所属となります。所属施設以外での勤務・研修は原則として出張扱いとなります。
※ただし、県の補助金「かながわ地域看護師制度」を申請する場合は、出向扱いとなります。
- 4月:病院に勤務し、入職オリエンテーションや院内研修などを受けます。
- 5月~12月:病院に常勤として所属しながら、週4日は病院勤務、週1日は訪問看護ステーションで研修を行います。
- 12月~3月:週3日病院勤務、週2回訪問看護ステーションと、訪問看護を経験する日数を増やしていきます。
2・3年目
病院での常勤勤務を継続しながら、訪問看護ステーションとも非常勤契約を結びます。
- 週3日病院(常勤)で勤務、週2日訪問看護ステーション(非常勤)で勤務という形で、病院と訪問看護の双方で実践経験を積んでいきます。
4年目以降
プログラム終了後は、病院か訪問看護ステーションかのいずれかの勤務場所を選択することができます。
雇用・給与について
1年目
1年目は病院と常勤契約を結び、プログラム参加に必要な協定を締結します。(訪問看護ステーションでの研修が「出張」となるか「出向」となるかによって、必要な手続きが異なります。)
2・3年目
2・3年目は、病院との常勤契約を継続したまま、訪問看護ステーションと非常勤契約を締結します。病院での賞与・退職金・福利厚生などは、病院の条件に基づきます。
訪問看護ステーションで勤務した日は、訪問看護ステーションから非常勤勤務分の給与が支給され、病院給与から該当分を調整します。
病院と訪問看護ステーションからの給与を合算し、プログラム参加者が不利益を被らないように調整します。
プログラム構成
- 病院と訪問看護ステーションの両方で学ぶ新人看護師が、無理なくプログラムに取り組めるよう、通常の新人教育よりもゆとりをもって目標を設定しています。
- 病院と訪問看護ステーションは定期的に情報を共有し、参加者の成長や課題、プログラムの進み具合を確認しています。両施設が連携しながら、一人ひとりの状況に応じた支援を行っています。
- 研修生としての身分や勤務条件を明確にし、施設間の協定書、秘密保持誓約書、利用者の同意書などを整備することで、安心して研修に参加できる体制を整えています。
目標
| 1年目 | ① 指導のもと受け持ち患者の退院後の生活を想定し入院から退院までの看護を実践できる ② 指導のもと訪問看護に必要な基本的能力と専門的能力を習得できる ③ 病院と地域を横断して働くというイメージができる |
| 2年目 | ① 指導のもと主体的に受け持ち患者の退院後の生活を想定し入院から退院までの看護を実践でき、なおかつ継続的な訪問看護を実践できる ② 病院と地域を横断して働く看護師としての視点をもてる |
| 3年目 | ① 自立して受け持ち患者の退院後の生活を想定し入院から退院、さらに訪問看護の標準的な看護を実践できる ② 病院と地域を横断して働くことにより、医学モデルと生活モデルの視点を併せ持った看護を展開できる |
病院 ~一人ひとりのペースに合わせた勤務と学び~
病院では、受け持ち患者数や夜勤回数、勤務体制を参加者の状況に応じて調整し、段階的に通常の勤務へ移行できるよう支援しています。
また、チューターや看護師長による継続的な評価や面接に加え、自分の経験を振り返り、気づきや学びを言葉にする機会を定期的に設けています。日々の経験を振り返ることで、一つひとつの学びを次の実践につなげていきます。
訪問看護ステーション ~3年間かけて段階的に学ぶ~
訪問看護ステーションでは、通常1年間で修得する内容を、3年間かけて段階的に学べるようプログラムを構成しています。特に1年目は同行訪問を中心とし、訪問看護の実際に触れながら、無理なく経験を積んでいきます。 学習の進み具合は、病院と共通の評価基準・評価表を用いて確認します。
自己評価や他者評価、研修ごとの振り返りを通して、自分自身の成長や今後の課題を確認しながら学ぶことができます。 また、管理者やメンターによる指導に加え、教育やメンタルヘルス支援を担う部門も連携し、安心して学び続けられる環境を整えています。
評価の仕組みは、病院と訪問看護ステーション双方同じ
評価基準は、双方の指導者やプログラム参加者が使用しやすいように、同じ評価基準・評価表・技術確認シートを使用します。
参加者の声
現場を支える指導者・支援者の声
A病院 教育担当者(副師長)
指導にあたり、プログラム参加者を特別な存在にせず、「スタッフそれぞれが自身の課題と向き合っている」という姿勢を示すことを心がけました。体調や精神的負担を考慮しつつも、他の新人と同じように接することで、プレッシャーや劣等感に押しつぶされることなく、病棟の一員として前向きに業務に臨める環境作りを意識しました。2つの環境に慣れることはとても大変だったと思いますが、プログラム参加者からは目指すべき目標に向かってブレずに取り組む強さを感じました。プログラム参加者が訪問看護の現場で得た在宅の視点を病棟スタッフへ波及できるよう、周囲に働きかけていくことが指導者としての今後の課題と考えています。
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